執筆: Jin Fujisaki / 公開: 2026-02-11
重い荷物を背負って歩くと、肩が食い込んで痛くなる。 背中とリュックの間に隙間ができて、荷物が後ろに引っ張られるような感覚がある。 それは、バックパックがあなたの体に合っていない証拠です。
1977年、アメリカのサンディエゴで創業したウェイン・グレゴリーは、こう言いました。 「バックパックは背負うものではなく、靴のように“着る”ものである」。 この哲学こそが、GREGORY(グレゴリー)を世界一のバックパックブランドにした理由です。 靴がサイズやフィット感を重要視するように、リュックもまた、体の一部として機能しなければならない。 その答えが、40年以上形を変えずに愛され続ける傑作「DAY PACK(デイパック)」です。
| 荷物が軽く感じる「涙(ティアドロップ)型」の魔法

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デイパックを横から見ると、下に行くほど膨らんでいく独特の形をしています。 これを「ティアドロップ(涙)型」と呼びます。 単なるデザインではありません。
この形状は、荷物の重心を自然と背中の高い位置に持ってくる効果があります。 重心が体に近いほど、荷物は軽く感じられます。 さらに、人間工学に基づいてカーブしたショルダーストラップが、肩のラインに吸い付くようにフィットします。 「荷物を入れたはずなのに、背負うと軽く感じる」。 この不思議な感覚は、徹底した重心設計の賜物です。
| 世界一タフな「10号ジッパー」と「革の引き手」
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グレゴリーのアイコンとも言えるのが、メイン収納部に使われている巨大なジッパーです。 通常のアパレル製品ではまず見かけない、YKKの極太規格「No.10(10号)」を採用しています。
このジッパーは、砂が噛んでも、雪が凍りついても、強引に開け閉めしても、まず壊れません。 「ガリガリッ」という豪快な操作音は、信頼の証です。 そして、そのジッパーを引くために付けられた、茶色いレザーのプルタブ(引き手)。 手袋をしていても指を引っ掛けやすく、使い込むほどに革が馴染んでいく。 機能美とはこういうことだと教えてくれます。
| 斜めに切られた「フロントポケット」の意味

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前面にある斜めのジッパーポケット。 これもグレゴリーの代名詞ですが、なぜ斜めなのでしょうか? それは、リュックを片方の肩にかけたまま、前に回して荷物を取り出す時の角度に合わせてあるからです。
水平なジッパーだと、前に回した時に垂直になってしまい、中身が落ちやすくなります。 斜めになっていることで、体の動きに自然に追従し、スムーズに財布やスマホを取り出せる。 40年前から変わらないこの角度には、使う人への深い配慮が隠されています。
| 街でも山でも。20年使える相棒
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素材は防弾チョッキにも使われるバリスティックナイロン(モデルによる)や、高強度のナイロン生地。 アスファルトの上で引きずろうが、木の枝に引っ掛けようが、破れることはありません。
「学生時代に買ったグレゴリーを、社会人になっても、親になっても使っている」。 そんなエピソードは枚挙に暇がありません。 ボロボロになっても修理ができ、むしろクタクタになった方がカッコいい。 流行り廃りの激しいファッション界において、変わらない価値を持ち続ける稀有な存在です。
| まとめ:2万円台で手に入る「着心地」
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価格は20,000円〜27,000円程度(モデルやカラーによる)。 安価なリュックなら数千円で買えますが、背負い心地と耐久性を考えれば、これほどコストパフォーマンスの高い鞄はありません。
「今日は荷物が多いな」。 そんな憂鬱な朝も、グレゴリーなら「よし、着ていくか」と思わせてくれます。 背中の負担を減らし、足取りを軽くする。 それは、人生という旅を少しだけ楽にしてくれる道具です。


