パーティーの席で、誰かが眼鏡をかけた。ただの眼鏡ではない。レンズの代わりに透明な管がぐるりと顔の前で円を描き、片方の端はコップの中、もう片方の端は口元に伸びている。「メガネストロー」だ。かけた瞬間、その場にいた全員が笑った。
見た目のインパクトがそのまま体験の面白さになっている、数少ない雑貨だと思う。
顔の前で一周する、飲み物の通り道
メガネストローは、その名の通り眼鏡の形をしたストローだ。フレーム部分にチューブが仕込まれていて、飲み物はコップから吸い上げられたあと、顔の前をぐるりと回り込むように通り、口へと届く。全長はおよそ120センチにもなる商品もあり、その長さの分だけ、飲み物が届くまでに時間がかかる。
回り道こそが主役という発想の道具。まっすぐ飲めばいいものを、あえて遠回りさせることで場を盛り上げる。
素材は透明な樹脂でできているものが多く、ジュースやコーラなど色のついた飲み物を入れると、管の中を液体が巡っていく様子がよく見える。だからこそ、飲むまでの過程そのものが観賞用のショーになる。

こんな場面で活躍する
- 誕生日会や子供のパーティーの余興として
- 飲み終わるまでの時間を競う簡単なゲームの道具として
- SNS向けの一枚を撮る「ネタ写真」用の小道具として
実用性ゼロの道具が持つ価値
冷静に考えれば、メガネストローに実用上のメリットはほとんどない。むしろ飲むのに余計な時間がかかるし、顔の前に管を這わせている姿はいくらか間抜けにも見える。それでも、こうした「役に立たなさ」がそのまま笑いに変わる瞬間があるからこそ、この手の雑貨は繰り返し愛され続けている。
100円ショップの店頭でふと目にして、つい手に取ってしまう人も多いという。値段も手頃で、パーティーの主役にはならなくても、場の空気をひとつやわらげる名脇役にはなってくれる。
道具に「意味」や「効果」を求めない遊び方があってもいい。THE YADOMのように香りで気分を切り替える道具もあれば、メガネストローのようにただ笑うためだけの道具もある。どちらも、日常の中にちいさな余白をつくってくれる点では同じかもしれない。




