名刺サイズより一回り大きいだけの基板に、小さなスイッチとつまみがびっしり並び、白黒の液晶にドット絵のキャラクターが動く。スウェーデンのteenage engineering社が作る「Pocket Operator(ポケットオペレーター)」は、その見た目からしておもちゃのように見える。だが中身は正真正銘、本格的なシンセサイザー・リズムマシン・サンプラーだ。
むき出しの基板が、そのまま楽器になる
ケースに覆わず基板をそのまま見せる設計。安っぽく見えるはずの割り切りが、逆に唯一無二の個性になった。
シリーズは全9モデル、大きく3つに分かれる。
- シンセサイザー系:PO-14 sub(ベースシンセ)、PO-16 factory(メロディ&リードシンセ)、PO-20 arcade(ゲーム風シンセ)、PO-28 robot(8bitシンセ)
- リズムマシン系:PO-12 rhythm、PO-24 office、PO-32 tonic
- サンプラー系:PO-33 K.O!(マイク内蔵サンプラー)、PO-35 speak(ボーカルシンセサンプラー)
どのモデルも単4電池2本で動き、本体にスピーカーとイヤフォンジャックを内蔵している。価格帯は日本国内で14,850円前後から。手のひらに収まるサイズ感でありながら、ライブハウスのステージに置かれても違和感がない本格的な音作りができる。
16ステップ×16パターンという設計の妙
Pocket Operatorの核になっているのは、16ステップを1小節として、それを16パターンぶん組み合わせて曲を構成していく仕組みだ。ドット絵のキャラクターがビートに合わせて動くゲームのような画面の裏側で、リアルタイムエフェクトや複数台の同期演奏といった、ライブパフォーマンスに耐える機能がきちんと積まれている。
複数台を並べて広がる世界
1台だけでも完結するが、Pocket Operatorの面白さは複数台を同期させたときに増す。ベースはPO-14、リズムはPO-12、といった具合にモデルを組み合わせれば、卓上に小さなバンドが出来上がる。むき出しの基板が並ぶ様子は、電子工作の実験室のようでもあり、それ自体が一種のインテリアになる。

「ちゃんとした音楽機材」であることの説得力
安価でポップな見た目のガジェットは、ともすれば「おもちゃ」で終わってしまう。Pocket Operatorがそうならないのは、シーケンサーの作り込みと音質へのこだわりが、価格やサイズに見合わない本気度で作られているからだ。teenage engineeringは同じ思想の延長線上に、より本格的なサンプラー「OP-1」なども展開しており、Pocket Operatorはそのエントリーポイントとしても機能している。
机の上に1台置いておけば、思いついたメロディをすぐ形にできる。音づくりに没頭したあと、一区切りつけて手を止める時間には、THE YADOM で一息入れるのもいい。




