執筆: Jin Fujisaki / 公開: 2026-02-15
「折りたたみスマホ」が世に出て数年。 街中でGalaxy Z Foldを見かけることも珍しくなくなりました。 しかし、人類の欲望は底なしです。 「開いてもまだ小さい」「正方形に近い画面は動画が見にくい」。 そんな贅沢な不満に対するサムスンの回答が、この「三つ折り(Tri-Fold)」という怪物です。
これまでの折りたたみが「本」だとしたら、これは「屏風(びょうぶ)」です。 ヒンジ(蝶番)が2つあり、Z字型に折りたまれている。 完全に畳めば普通のスマホサイズ、広げれば10インチクラスの大画面。 「ポケットに入るiPad」という冗談のようなコンセプトを、世界一のOLED技術で現実のものにしてしまったのです。
| 16:9の革命。黒帯のない映画体験

image Samsung
従来の折りたたみスマホ(ブック型)の最大の弱点は、開いた時のアスペクト比でした。 正方形に近いため、YouTubeやNetflixを見ても上下に太い「黒帯」が出てしまい、実際の映像サイズはそこまで大きくならなかったのです。
しかし、三つ折りは違います。 3つの画面を横に繋げることで、開いた状態が「ワイドスクリーン」になります。 映画を見る時、ゲームをする時、画面の隅々まで映像が広がる。 この没入感は、もはやスマホの域を超えています。 新幹線や飛行機のテーブルが、一瞬にしてプライベートシアターに変わる体験は、一度味わうと戻れません。
| 3画面マルチタスク。パソコンを持ち歩く感覚
image 価格.com
「3つのアプリを同時に開く」。 これまでも機能としてはありましたが、三つ折りでこそ、その真価が発揮されます。 左の画面でYouTubeを見ながら、中央の画面でブラウザを開き、右の画面でLINEを返す。 それぞれのウィンドウが、スマホ1台分の幅を確保できるため、無理やり詰め込んだ窮屈さがありません。
また、キーボードを大きく表示させても、コンテンツエリアが十分に確保されます。 外出先でエクセルを修正したり、長文のメールを打ったり。 「パソコンがないと仕事ができない」という言い訳は、このデバイスの前では通用しなくなります。
| 「薄さ」への執念。2回折っても分厚くない
image マイベスト
ヒンジが2つあるということは、単純計算で厚みは3倍になるはずです。 しかし、最新のGalaxy Zシリーズの技術は、その常識を打ち破りつつあります。 極限まで薄型化されたディスプレイと、隙間なく畳めるヒンジ構造により、ポケットに入れても違和感のない薄さを実現しています。
もちろん、普通のスマホよりは重厚感があります。 しかし、タブレットとスマホの「2台持ち」をする重さに比べれば、はるかにスマートです。 この「密度の高い板」を広げる時の、精密機器特有の重みとトルク感。 ガジェット好きの所有欲をこれでもかと刺激します。
| まとめ:未来は「畳む」ものになる
image samsung
価格は予想される範囲でも30万円〜40万円クラス。 おいそれと手が出る金額ではありません。 しかし、これは単なる電話ではなく、「テレビ」と「パソコン」と「本」を一つにまとめたデバイスだと考えれば、その価値は見えてきます。
ガラケーからスマホへ。 そして板状のスマホから、折りたたみへ。 形状が変わるたびに、私たちのライフスタイルも変わってきました。 この「Galaxy Z Tri-Fold」は、私たちがデバイスに合わせて動く時代の終わりを告げています。 どんな場所でも、ポケットから取り出すだけで、そこがオフィスになり、映画館になる。 「畳む」という行為が、世界を広げるのです。



