執筆: Jin Fujisaki / 公開: 2026-02-17
ロボット芝刈り機を導入する際、最大のハードルとなるのが「境界線ワイヤー(ペリメーターワイヤー)」の設置でした。 庭の周囲に数百メートルの線をペグで打ち込み、断線したら探し回る……。 そんなアナログな作業を、Mammotion(マモーション)は過去のものにしました。
彼らの主力モデル「LUBA(ルバ)」シリーズは、RTK-GNSS(高精度衛星測位システム)を使用します。 スマホを持って庭を一周し、アプリで「ここがエリアだ」と教えるだけ。 仮想の境界線(バーチャル・バウンダリー)が設定され、ロボットはその内側をセンチメートル単位の精度で走行します。 ワイヤーが切れる心配も、モグラに掘り返される心配もありません。 空が見えている限り、そこは彼のサーキットです。
| 45度の激坂も登る。AWD(4輪駆動)の走破性

image Mammotion
Mammotionのマシンが他のロボットと決定的に違うのは、その「足回り」です。 一般的なロボット芝刈り機が可愛いプラスチックのタイヤで動く中、LUBAはゴツいオムニホイールと強力なサスペンションを備えた「4輪駆動車」です。
最大傾斜45度(約100%勾配)。 人間でも登るのがきついような急斜面や、凸凹の悪路を、グイグイと力強く登っていきます。 その姿は、芝刈り機というより「月面探査車(ローバー)」。 雨上がりでぬかるんだ地面でもスタック知らず。 「ロボットが動けなくなって助けに行く」という、本末転倒な介護作業から解放されます。
| 「ランダム」ではない。「ストライプ」を描く美学
image NotebookCheck
ルンバのようにあちこち動き回るランダム走行ではありません。 Mammotionは、効率的に計算されたルートを整然と往復します。 その結果、庭にはサッカースタジアムのような美しい「ストライプ模様(ゼブラカット)」が刻まれます。
アプリで設定すれば、チェック柄やダイヤモンド柄に刈り込むことも可能。 さらに、最新の「YUKA(ユカ)」シリーズには、芝生に文字やロゴを描く「芝生プリンティング機能」まで搭載されています。 ただ草を短くするだけではありません。 庭をキャンバスに変え、近所の人が足を止めて見入るような「作品」を作り出すのです。
| 木の下でも迷わない。「3Dビジョン」の目

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衛星測位の弱点は「高い木の下」や「建物の影」でした。 GPS信号が遮られると、ロボットは自分の位置を見失ってしまいます。 しかし、最新モデルは3Dビジョンカメラとライダー(LiDAR)を搭載しており、目がついています。
空が見えなくなっても、カメラが周囲の景色を認識して自己位置を補正(V-SLAM)。 さらに、庭に置き忘れたホースやおもちゃ、あるいは寝転んでいるペットを瞬時に検知して回避します。 「衛星」と「視覚」。 二つのナビゲーションシステムを融合させることで、迷子にならない最強の自律走行を実現しました。
| まとめ:週末の数時間を、30万円で買い戻す

image The Verge
価格はモデルによりますが、30万円〜50万円クラス。 ホームセンターの芝刈り機とは桁が違います。 しかし、真夏の炎天下で、蚊に刺されながら汗だくになって草を刈る「年間数十時間」をゼロにできるとしたら?
エアコンの効いた部屋から、スマホで「出動」ボタンを押すだけ。 窓の外では、未来的な白いマシンが黙々と、そして完璧に仕事をこなしている。 Mammotionは、単なる園芸用品ではありません。 あなたの週末を「労働」から「休息」へ変えるための、最も強力な投資です。


