執筆: Jin Fujisaki / 公開: 2026-02-11
街を歩けば、必ず誰かが履いている「N」のマーク。 ニューバランスは単なる流行のファッションブランドだと思っていませんか? 実は、そのルーツは1906年のボストンにあります。 扁平足などを治す「矯正靴(アーチサポートインソール)」のメーカーとして誕生しました。
社名の由来は、「履いた人に“新しい(New)バランス(Balance)”感覚をもたらす」こと。 つまり、デザインよりも先に「医学的な歩きやすさ」を追求しているメーカーなのです。 その哲学が最も色濃く、かつスタイリッシュに反映されたのが、1988年に登場した傑作「996」です。
| 都会のアスファルトに馴染む細身のシルエット

image スニーカーダンク
ニューバランスには「574」という丸っこい定番モデルもありますが、大人が選ぶべきは断然「996」です。 その理由は「細身(スマート)さ」にあります。
「574」がオフロード(未舗装路)を走るために横幅を広く取っているのに対し、「996」は舗装された道路(オンロード)を走るために設計されました。 そのため、つま先がシュッとしており、全体的にスタイリッシュです。 この絶妙なシルエットが、ジーンズはもちろん、スラックスやスカートといった「きれいめ」な服装にも違和感なく溶け込みます。 「スニーカーは子供っぽい」という偏見を捨てさせてくれる一足です。
| 雲の上を歩くようなクッション性
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「996」の履き心地を支えているのは、ミッドソール(靴底のクッション部分)に搭載された「C-CAP(シーキャップ)」と「ENCAP(エンキャップ)」という技術です。
専門的な話になりますが、柔らかいクッション素材を、硬い素材で包み込む構造になっています。 これにより、「フワフワしているのに、グラつかない」という奇跡的なバランスを実現しています。 アスファルトの衝撃を吸収しつつ、次の一歩を押し出してくれる。 一度この感覚を知ってしまうと、底の薄いキャンバススニーカーには戻れなくなります。 旅行やショッピングで一日中歩き回った日の夜、「あれ? 足が軽い」と気づくはずです。
| なぜ、ニューバランスといえば「グレー」なのか
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赤いナイキ、白いアディダス。 ブランドにはイメージカラーがありますが、ニューバランスといえば圧倒的に「グレー」です。 これには理由があります。
創業者の考えでは、グレーは「都会のアスファルトの色」であり、どんな服にも馴染み、汚れが目立ちにくい色だからです。 黒だと重すぎる、白だと汚れが気になる。 その中間に位置するグレーは、どんな色のパンツにも合う魔法の色です。 おしゃれに自信がない人ほど、最初のニューバランスは迷わずグレーを選んでください。 それだけで、足元が洗練されて見えます。
| 「CM996」と「M996」。価格の違いと選び方
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ショップに行くと、同じ「996」でも値段が違うことに気づくでしょう。 主に2つのラインがあります。
- M996(アメリカ製): 2万円〜3万円台。職人が手作業で作るオリジナル。素材がリッチで履き心地も極上ですが、高価です。
- CM996(アジア製): 1万円台半ば。オリジナルのデザインを忠実に再現しつつ、コストを抑えた普及版。
こだわりのあるマニアは「M」を選びますが、日常使いなら「CM」で十分にその機能美を体感できます。 むしろ、CM996は日本人の足に合わせて改良されていることもあり、フィット感は抜群です。
| まとめ:足への投資は、全身への投資
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価格はCM996で15,000円前後。 安売りスニーカーの3倍はしますが、その価値は十分にあります。 足元のバランスが整うと、姿勢が良くなり、腰痛や肩こりが軽減されることさえあります。
「おしゃれは我慢」という言葉は、ニューバランスには当てはまりません。 「おしゃれで、かつ楽」。 それが、大人がこの靴を選ぶ理由です。 玄関にあると、ついつい毎日こればかり履いてしまう。 そんな「新しいバランス」を、あなたの生活にも取り入れてみてください。


